○松川村文化財保護条例
平成24年3月8日
条例第1号
松川村文化財保護条例(昭和52年松川村条例第19号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 松川村指定有形文化財(第6条―第20条)
第3章 松川村指定無形文化財(第21条―第26条)
第4章 松川村指定有形民俗文化財及び松川村指定無形民俗文化財(第27条―第31条)
第5章 松川村指定史跡名勝天然記念物(第32条―第36条)
第6章 松川村選定保存技術(第37条―第39条)
第7章 松川村文化財審議会(第40条)
第8章 補則 (第41条)
第9章 罰則(第42条―第45条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,松川村(以下「村」という。)の区域内に存する文化財について,その保存及び活用のため必要な措置を講じ,もって村民の文化向上に資するとともに,地域文化の継承と発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは,文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財,無形文化財,民俗文化財及び記念物をいう。
(村等の責務)
第3条 村は,文化財が地域の歴史,文化等を理解するため欠くことのできないものであり,かつ,地域文化の発展の基礎をなすものであることを認識し,村民等との協働により,その保存及び活用が適切に行われるよう努めなければならない。
2 松川村教育委員会(以下「教育委員会」という。)は,この条例の執行に当たっては,関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに,文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(村民の責務)
第4条 村民は,地域の文化財が村民にとってかけがえのない財産であることを認識し,村等との協働により,その保存及び活用に努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 開発行為その他の文化財の保存に影響のある行為をしようとする事業者は,村が文化財の保存に関し行う助言又は指導を遵守しなければならない。
第2章 松川村指定有形文化財
(指定)
第6条 教育委員会は,村の区域内に存する有形文化財(法又は文化財保護条例(昭和50年松川村条例第44号。以下「県条例」という。)の規定により文化財に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち村にとって重要なものを松川村指定有形文化財(以下「村有形文化財」という。)に指定することができる。
2 前項の規定による指定をするときは,あらかじめ,指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし,所有者等が判明しない場合は,この限りでない。
3 第1項の規定による指定をするときは,あらかじめ,松川村文化財審議会に諮問しなければならない。
4 第1項の規定による指定は,その旨を告示するとともに,当該有形文化財の所有者等に通知して行うものとする。
6 第1項の規定による指定をしたときは,村有形文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第7条 村有形文化財が,村有形文化財としての価値を失ったときその他特殊の事由があるときは,教育委員会は,その指定を解除することができる。
2 村有形文化財について法及び県条例の規定による文化財の指定があったときは,当該村有形文化財の指定は解除されたものとする。
(所有者等の管理義務及び管理責任者)
第8条 村有形文化財の所有者等は,この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い村有形文化財を管理しなければならない。
2 村有形文化財の所有者等は,特別の事情があるときは専ら自己に代わり村有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理者を選出したときは,所有者等は速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。
4 管理責任者は,第1項の規定を遵守しなければならない。
(所有者等の変更等)
第9条 村有形文化財の所有者等に変更があったときは,新たに所有者等になった者(以下「新所有者等」という。)は速やかに,その旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 村有形文化財の所有者等又は管理責任者は,その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは,速やかに,その旨を教育委員会に届け出なければならない。
(滅失,き損等)
第10条 村有形文化財の全部又は一部が滅失し,若しくはき損し,又はこれを亡失し,若しくは盗み取られたときは,所有者等(管理責任者がある場合はその者。次条において同じ。)は,速やかに,その旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第11条 村有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは,所有者等は,あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし,教育委員会規則で定める場合には,この限りでない。
(管理又は修理の補助)
第12条 村有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し,所有者等がその負担に耐えない場合その他特別の事情がある場合には,村長は,その経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
2 教育委員会は,補助金の交付を受けた者に対し,補助金の交付の目的を達成するために必要と認める事項について指示することができる。
(1) 管理又は修理に関し条例,規則又は教育委員会規則に違反したとき。
(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。
(3) 補助金の交付決定に付した条件に従わなかったとき。
(管理又は修理に関する勧告)
第14条 村文化財の管理が適当でないため当該村有形文化財が滅失し,き損し,又は盗み取られるおそれがあると認めるときは,教育委員会は,所有者等又は管理責任者に対し管理方法の改善,保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 村有形文化財がき損している場合においてその保存のため必要があると認めるときは,教育委員会は,所有者等に対しその修理について必要な勧告をすることができる。
(現状変更等の制限)
第15条 村有形文化財に関しその現状を変更し,又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは,教育委員会の許可を受けなければならない。ただし,現状の変更については,維持の措置若しくは非常災害のために必要な応急措置を執る場合,又は保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は,この限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は,教育委員会規則で定める。
2 村有形文化財の保護上必要があると認めるときは,教育委員会は前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言をすることができる。
(公開)
第17条 教育委員会は,村有形文化財の所有者等に対し6月以内の期間を限って教育委員会の行う公開の用に供するため村有形文化財を出品することを勧告することができる。
2 教育委員会は,村有形文化財の所有者等に対し3月以内の期間を限って村有形文化財の公開を勧告することができる。
4 教育委員会は,第1項の規定により村有形文化財が出品されたときは,その職員のうちから村有形文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。
5 教育委員会は,第2項の規定による公開及び当該公開に係る村有形文化財の管理に関し必要な指示をするとともに必要があると認めるときは,当該管理について指揮監督することができる。
(調査)
第19条 教育委員会は,必要があると認めるときは,村有形文化財の所有者等又は管理責任者に対し,村有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(所有者等の変更に伴う権利義務の承継)
第20条 村有形文化財の所有者等に変更があったときは,新所有者等は,当該村有形文化財に関し,この条例に基づいてする教育委員会の勧告,指示その他の処分による従前の所有者等の権利義務を承継する。
2 前項の場合には,従前の所有者等は当該村有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者等に引き渡さなければならない。
第3章 松川村指定無形文化財
(指定)
第21条 教育委員会は,村の区域内に存する無形文化財(法及び県条例の規定により無形文化財に指定されたものを除く。)のうち村にとって重要なものを松川村指定無形文化財(以下「村無形文化財」という。)に指定することができる。
2 前項の規定による指定をするに当たっては,あらかじめ,当該村無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)の同意を得て,保持者又は保持団体を認定しなければならない。
3 第1項の規定による指定をした後においても村無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは,あらかじめそのものの同意を得て保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(解除)
第22条 村無形文化財が村無形文化財としての価値を失ったときその他特殊の事由があるときは,教育委員会は,その指定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められるとき,保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められるときその他特殊の事由があるときは,教育委員会は,その認定を解除することができる。
3 村無形文化財について法及び県条例の規定による無形文化財の指定があったときは,当該村無形文化財の指定は解除されたものとする。
(保持者の氏名変更等)
第23条 保持者が氏名若しくは住所を変更し,又は死亡したときは,保持者又はその相続人は,速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称,住所若しくは代表者を変更し構成員に異動を生じ,又は解散したときも代表者(保持団体が解散した場合にあっては,代表者であった者)について,同様とする。
(保存)
第24条 教育委員会は,村無形文化財の保存のため必要があると認めるときは,村無形文化財について,その記録を作成し,伝承者を養成し,その他その保存のため適当な措置を執り,又は保持者,保持団体その他適当と認める者を選定してこれらの措置をとらせることができる。
2 村長は,前項の保持者又は保持団体その他適当と認める者に対し,村無形文化財の保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(公開)
第25条 教育委員会は,村無形文化財の保持者又は保持団体に対し村無形文化財の公開を,村無形文化財の記録の所有者に対しその記録の公開を勧告することができる。
3 村は,第1項の規定による公開に要する経費の一部を負担することができる。
(保存に関する助言又は勧告)
第26条 教育委員会は,村無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し,その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
第4章 松川村指定有形民俗文化財及び松川村指定無形民俗文化財
(指定)
第27条 教育委員会は,村の区域内に存する有形の民俗文化財(法及び県条例の規定により有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち村にとって重要なものを松川村指定有形民俗文化財(以下「村有形民俗文化財」という。)に,無形の民俗文化財(法及び県条例の規定により無形文化財に指定されたものを除く。)のうち村にとって重要なものを松川村無形民俗文化財(以下「村無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
4 第1項の規定による村無形民俗文化財の指定は,その旨を告示して行うものとする。
(解除)
第28条 村有形民俗文化財又は村無形民俗文化財が村有形民俗文化財又は村無形民俗文化財としての価値を失ったときその他特殊の事由があるときは,教育委員会は,その指定を解除することができる。
4 村有形民俗文化財又は村無形民俗文化財について法及び県条例の規定による有形民俗文化財又は無形民俗文化財の指定があったときは,当該村有形民俗文化財又は村無形民俗文化財の指定は,解除されたものとする。
(村有形民俗文化財の保護)
第29条 村有形民俗文化財に関しその現状を変更し,又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は,あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 村有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは,教育委員会は,前項の届出に係る現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
(村無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録の作成等)
第30条 教育委員会は,村無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要のあるものを選択して,その記録を作成し,保存し,又は公開することができるものとし,村長は,当該無形の民俗文化財の公開又はその記録の作成若しくは保存を行う者に対し,これに要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
第5章 松川村指定史跡名勝天然記念物
(指定)
第32条 教育委員会は,村の区域内に存する記念物(法及び県条例の規定により史跡,名勝又は天然記念物に指定されたものを除く。)のうち村にとって重要なものを松川村指定史跡,松川村指定名勝又は松川村指定天然記念物(以下「村史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
(解除)
第33条 村史跡名勝天然記念物が村史跡名勝天然記念物としての価値を失ったときその他特殊の事由があるときは,教育委員会は,その指定を解除することができる。
2 村史跡名勝天然記念物について法及び県条例の規定による史跡,名勝又は天然記念物の指定があったときは,当該村史跡名勝天然記念物の指定は解除されたものとする。
(標識等の設置)
第34条 村史跡名勝天然記念物の所有者等は,教育委員会規則で定める基準により,村史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識,説明板,境界標,囲さくその他の施設を設置するものとする。
第6章 松川村選定保存技術
(選定等)
第37条 教育委員会は,村の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもの(法及び県条例の規定により選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち村として保存の措置を講ずる必要があるものを松川村選定保存技術(以下「村選定保存技術」という。)として選定することができる。
2 教育委員会は,前項の規定による選定をするに当たっては,当該村選定保存技術の保持者又は保存団体(村選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体で代表者の定めのある者をいう。以下同じ。)の同意を得て,保持者又は保存団体を認定しなければならない。
(解除)
第38条 教育委員会は,村選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなったときその他特殊の事由があるときは,その選定を解除することができる。
2 教育委員会は,保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められるとき,保存団体が保存団体として適当でなくなったと認められるときその他特殊の事由があるときは,保持者又は保存団体の認定を解除することができる。
3 村選定保存技術について法及び県条例の規定による選定保存技術の選定があったときは,村選定保存技術の選定は解除されたものとする。
第7章 松川村文化財審議会
(設置)
第40条 教育委員会は,文化財の指定,保存及び活用又は指定の解除に関し必要な事項を調査審議するため,松川村文化財審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会の委員の定数は6人以内とし,文化財に関する学識経験者のうちから教育委員会が委嘱する。
3 委員の任期は,2年とする。ただし,再任は妨げない。
4 委員に欠員を生じたときは,補欠委員を委嘱する。ただし,任期は,前任者の残任期間とする。
5 審議に専門的な事項を調査研究するため,部会を設置することができる。
第8章 補則
(委任)
第41条 この条例の施行に関し必要な事項は,教育委員会規則で定める。
第9章 罰則
(刑罰)
第42条 村有形文化財を損壊し,遺棄し,又は隠とくした者は,5万円以下の罰金又は科料に処する。
第43条 村史跡名勝天然記念物の現状を変更し,又はその保存に影響を及ぼす行為をしてこれを滅失し,き損し,又は衰亡するに至らしめた者は,5万円以下の罰金又は科料に処する。
第44条 第15条(条例第36条において準用する場合を含む。)の規定に違反して教育委員会の許可を受けず,若しくはその許可の条件に従わないで村有形文化財若しくは村史跡名勝天然記念物の現状を変更し,若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし,又は教育委員会の現状の変更若しくは保存の影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は,3万円以下の罰金又は科料に処する。
附 則
(施行期日)
1 この条例は,平成24年4月1日から施行する。
3 この条例の施行の際現に改正前の松川村文化財保護条例(以下「旧条例」という。)の規定に基づく松川村文化財審議会の委員に委嘱されている者は,改正後の松川村文化財保護条例の規定に基づく松川村文化財審議会の委員に委嘱された者とみなす。この場合において,当該委員の任期は,旧条例の規定に基づく委員として委嘱された日から起算する。
4 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については,なお従前の例による。