土地利用調整基本計画
2016年02月15日 更新
土地利用調整基本計画
1 土地利用調整基本計画の趣旨
松川村は、有明山などを代表する雄大な北アルプス連峰を背景に、水田と屋敷林の点在する特徴的で優れた景観、水と大地と緑に育まれた環境資源に恵まれています。特に広がりのある農地とそこに散在する屋敷林の醸し出す「安曇野」の独特な景観は、ここに暮らす人々、この地を訪れる人々にとって印象的です。自然を活かした村づくり、田園風景を保全したいといった村民からの要望も多く、『緑豊かな自然と暮らし、心やすらぎ魅力あふれる村』を松川村第6次総合計画の基本理念として掲げ、村民と行政との協働により、この恵まれた自然環境を守るとともに、その中で豊かな暮らしができる村づくりを進めています。
松川村土地利用調整基本計画(本計画という。)は、村において目指すべき土地利用の基本方向を示すことを目的とし、総合計画及び国土利用計画(松川村計画)を基本にして、松川村の住民とこれから生まれ育つ将来の世代が、美しい景観と快適な環境に育まれ、優れた地域の環境と資源で支えられた調和のとれた暮らしを実現するために、平成13年3月に策定されました。
計画策定当時は、人口の増加に伴う住環境整備、公共施設整備などのほか、田園景観を支える農業情勢の厳しさや観光・レクリエーション需要への対応など、様々な課題を抱えていました。特に耕作地のなかに虫食い的な開発が起こるなど無秩序な開発が見られるようになり、土地利用に関する問題が顕在化していました。加えて、農業情勢の厳しさや、開発需要の高まりなどがこうした傾向を助長することを懸念されたことから、同時期に施行された松川村むらづくり条例に基づき本計画を策定・運用し、計画的な土地利用の推進を図ってきました。
この計画策定から概ね10年が経過し、社会経済情勢や社会構造が変化するなかで、当村においては、過去の一時期より開発の圧力が弱まってきたものの、計画策定当時の課題や懸念は引き続き生じており、継続して計画的な土地利用を推進していく必要があります。
本計画の改定にあたっては、松川村むらづくり審議会において検討を重ね、当初の計画内容を継承することを基本としながら、所定の計画期間を満了したこと及びこの10年間で土地利用が少なからず変化してきたことから、土地利用の現状・実態を踏まえて、その計画内容を見直し、必要な範囲において、部分的に改め定めました。
2 土地利用調整基本計画
土地利用調整基本計画は、土地利用に関する様々な課題を解決し、村民が将来にわたって美しい景観と快適な環境に育まれて暮らすことができる計画的な土地利用の実現を目指すものです。このため、土地利用の基本方向を定めるとともに、それらを踏まえて土地利用誘導区域を設定します。
3 計画対象と計画期間
本計画は、松川村全域を対象とし、土地利用に関する長期的な計画として位置付け、松川村において目指すべき土地利用の基本方向を示すものです。
本計画は、村民アンケートや各行政区への意見聴取を実施し、松川村むらづくり審議会において、基本方針や土地利用の基本方向を整理し、誘導区域や誘導方針を定めて、土地利用調整基本計画図として図示し、これらを具体化していくために実現化への方策をとりまとめています。
今回の改定に伴う新たな計画期間は、平成23年から平成32年までの10年間とし、上位計画・関連計画との整合を図るものとします。
4 基本方針
土地利用の基本方向及び土地利用誘導区域の設定にあたっては、土地利用規制に係る個別法令(都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律、農地法、森林法、自然公園法など)の考え方や、松川村第6次総合計画における土地利用及び公共施設の配置等の基本的な考え方に沿うものとします。それらの考え方を踏まえて、本計画における基本方針を以下の5つにまとめます。
1.農業振興地域について、基本的に農用地区域の除外は行わない。
2.農業振興地域において、農用地区域を除外する場合は等積以上の農用地区域外地との交換によるものとする(農用地区域の減少を避ける)。
3.ゾーンの区分は、公図における一筆一筆と対比するものではなく、おおまかな範囲の設定とする。
4.計画策定後、公共施設整備に伴う大規模な土地利用が生じた場合、地元の区と協議の上、一部を見直すものとする。
5.計画期間については、総合計画との整合を図り10年とする。
5 土地利用誘導区域の設定
本計画の基本方針や土地利用の基本方向に基づき、土地利用誘導区域(ゾーン)を設定します。このうち、農業を土地利用の基本とするゾーンとしては、田園景観の保全や営農環境の整備、活性化などに着目し、田園景観保全ゾーン・農業保全ゾーン・農業交流ゾーンを設定します。このほか、生活居住空間の形成及びサービス施設の確保を基本とした生活居住ゾーン・生活基幹ゾーン、森林の活用や保全を基本とした森林保養ゾーン・自然保護ゾーンなど9つのゾーンを設定します。
○田園景観保全ゾーン
広がりのある農地(水田)とそこに散在する屋敷林の醸し出す、村民が誇れる景観「安曇野」を保全するとともに、このような優れた景観とふれ合うことができる空間として、後世に残し伝えていくゾーン。
○農業保全ゾーン
農業生産を目的とした農地を保全し、より良い営農環境の形成を推進するとともに、これらにとり囲まれた集落の緑豊かなゆとりある住環境を保全していくゾーン。
○農業交流ゾーン
地域住民や来訪者との交流の場、農業体験や地域活性化の拠点として、「農」とのふれ合い、自然の恵みを享受できるゾーン。
○生活居住ゾーン
住環境として良好な環境を確保し、より良い生活環境を形成するゾーン。
○生活基幹ゾーン
地域住民の交流の場や日常生活の利便性を確保し、商業施設や住宅地を中心にした生活基盤となるゾーン。
○産業創造ゾーン
工場、倉庫など工業系施設立地を優先したゾーン。
○公共施設ゾーン
既存公共施設とともに、豊かな自然環境と調和した公園や緑地、福祉施設、文化施設などの整備を進めるゾーン。
○森林保養ゾーン
「自然とのふれ合い」を中心として、自然の中で、生きがいづくり・健康づくりができるゾーン。
○自然保護ゾーン
森林の有する公益的機能が総合的に備わった区域であり、その優れた自然環境を後世に残し伝えていくゾーン。
6 土地利用調整基本計画ゾーン区分図
7 土地利用調整基本計画施設用途表
8 国土利用計画(松川村計画)
9 お問い合わせ
松川村役場 総務課 政策企画係
TEL 0261-62-3111 FAX 0261-62-9405
お問い合わせ先
担当:総務課 政策企画係
〒399-8501
長野県北安曇郡松川村76-5
TEL:0261-62-3111 / FAX:0261-62-9405