遺跡探訪

松川村の遺跡を訪ねてみよう

 松川村にいつごろから人が住みはじめたのかは定かではありませんが、いまから1万数千年前の旧石器時代末期のものと思われる槍先型石器などが「西原3363遺跡」で発見されており、先土器時代からこの周辺で狩猟・採集生活をしていた人がいたことは確かなようです。


【竪穴式桜沢遺跡】

 縄文時代に入ると、人びとは竪穴式住居に定住するようになり、狩猟・採集のため野山を駆けめぐるかたわら、道具や衣服をつくったり、信仰をもつなど、少しずつ文化的な生活をするようになっていきます。
 縄文時代の松川の人びとの生活は、昭和30年に発掘された「桜沢遺跡」や、43年に発掘された「有明山遺跡」などからうかがえます。神戸原扇状地南西部の鼠穴地区にある桜沢いせき公園桜沢遺跡では、縄文時代の竪穴式住居跡が発見されています。
 現在ここに残る住居は、平成14に復元されたもので、縄文時代の人びとの暮らしぶりを現在に伝えています。弥生時代になると、稲作が広まり、青銅器や鉄器なども現れてきました。
 この時代の遺跡としては、「すずり岩遺跡」「西海渡遺跡」「下谷地遺跡」「大宮城遺跡」が発掘されています。 農業が普及して集落の社会化が進むと、人びとのあいだに階級が生じ、支配者が大きな権力をふるうようになってきます。


【祖父が塚古墳】

 鼠穴地区の桜沢遺跡のそばにある「祖父が塚古墳」は、いまから1300年ほど前の古墳時代の松川を物語る貴重な文化遺産です。
 明治時代に発見されたこの古墳は、石室が南側に向かって開いている横穴式円墳と呼ばれるもので、大小さまざまな石を積み重ねて造られています。
 当時この一帯を治めていた村長(むらおさ)の一族が埋葬されており、副葬品として土器や鎧、刀などが出土しています。
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