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ソルガムプロジェクト

ページ番号
1100972
更新日
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1.ソルガムとは

ソルガムとはアフリカ原産のイネ科の穀物で、昔から世界中で食べられてきました。日本では「モロコシ」や「たかきび」とも呼ばれ、名前を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
乾燥や暑さに強く、よく育つため、省力化して栽培できるのも魅力です。子実はごはんやおかゆにしたり、粉にしてパンや焼き菓子、麺などに使ったりと、いろいろな料理に活用できます。
栄養も豊富で、グルテンフリーかつアレルゲンを含まないため、誰でも気軽に取り入れやすいスーパーフードとして注目されています。 さらに緑肥として土壌改善、地力増進効果や雑草抑制効果もあり、食用としても農業資源としても幅広く活用できる作物です。

2.背景と目的

村では、近年の気候変動や高温・乾燥の影響で栽培が難しい作物が増え、また耕作放棄地の増加や農業従事者の減少も課題となっています。こうした状況に対応するため、乾燥に強く成長力の高いソルガムを導入し、村の新たな特産作物として育てる取り組みを進めています。

まず、食用としての活用です。ソルガムは粒や粉に加工でき、パンや菓子、麺など幅広い料理に利用可能です。村で育てたソルガムを地域の特産物として位置付けることで、地元の食文化を彩り、村の新しい魅力づくりや地域振興にもつなげられます。また、加工や商品化の可能性もあり、地域での活用の幅は今後さらに広がることが期待されます。

次に、飼料・緑肥としての活用です。播種前に家畜の糞を堆肥として畑に入れ、育った草は家畜の飼料に利用し、さらに生えてきた草は緑肥として畑に還元する循環型の取り組みです。これにより、耕畜連携の推進や土壌の地力回復、耕作放棄地の有効活用につなげることができます。

3.実証圃場の概要

村内では、ソルガムの栽培実証のため、2か所の圃場で栽培を行っています。

圃場の様子

〇すずの音ホール東側の畑

・面積:約190平方メートル
・品種:短尺ソルゴー、ミニソルゴー
・特長:草丈が短く(1.2〜1.5m程度)
    倒伏に強い、穂重の割合が高く
    子実収量に優れる
・用途:食用
    (村内加工教室での試食など)

圃場の様子

〇神戸地区の畑

・面積:約6.5反(7枚の畑)
・品種:ヘイスーダン
・特長:細茎で乾燥速度が早い、
    高温時の再生力がよく
    踏圧後の再生力も優れる
・用途:緑肥、飼料用

4.生育・栽培状況

〇すずの音ホール東側の畑(短尺ソルゴー、ミニソルゴー)

  • 肥   料:基肥として窒素肥料4kgを使用。
  • 播種、出芽:7月上旬に播種し、1週間足らずで出芽を確認。
  • 管 理 方 法 : 播種直後は畝間の雑草が目立ったため、草丈がある程度伸びるまでに除草を2回実施。その後は草丈の成長に伴って雑草の生育が抑えられ、追加の除草は不要となった。
  • 雑草の発生:上記の通り、初期管理後は抑制が効き、省力化につながった。
  • 生育データ:8月下旬には出穂が始まり、穂ぞろいも良く開花期を迎えた。

  • 収穫、活用:子実を収穫し、村内のやさい教室にて試食を予定。
  • 現場の感想:乾燥や高温の条件下でも安定して育ち、省力的な栽培の効果を実感できた。
ソルゴー写真
ソルゴーの種
ソルゴー写真
播種の様子
ソルゴー写真
播種後2週間
ソルゴー写真
短尺ソルゴー
ソルゴー写真
ミニソルゴー
ソルゴー写真
穂の様子

〇神戸地区の畑(ヘイスーダン)

  • 肥   料:基肥として堆肥を使用。
  • 播種、出芽:7月下旬に堆肥をすき込んだ後に散粒機で播種。1週間ほどで出芽を確認。
  • 管 理 方 法 :除草は行わず自然のままに管理したため、一部で雑草に負けてしまう箇所も見られた。ただし生育の良い部分では草丈が170cmを超えるまでに成長。追肥は行わず堆肥肥料のみで栽培。
  • 雑草の発生:生育にばらつきがあり、雑草が優先して繁茂している箇所も見られるが生育の良い部分では雑草の生育を抑えることができた。
  • 生育データ:本品種は種なしのため穂は出ず、草丈の伸びで評価。生育の良い箇所では170cm以上に到達。
  • 収穫、活用:本年度は飼料利用とし、来年度以降は緑肥としての活用も予定。
  • 現場の感想:播種時期の遅れや干ばつの影響もあったが、条件の良い部分では十分に成長が見られ、今後の飼料・緑肥利用に期待。
スーダン写真
スーダンの種
スーダン写真
播種の様子
スーダン写真
播種後
スーダン写真
播種後2週間
スーダン写真
播種後6週間
スーダン写真
播種後6週間